Vol.1 Vol.2

ひとがかみになったち 秋葉の原点

岩野蔵王堂

〒940-0202 新潟県長岡市栃尾岩野外新田10

秋葉信仰の開祖、秋葉三尺坊開眼の地。まさしく人が神となった地である。毎年晩秋から冬が明ける頃まで昼夜朦朧とし、魑魅魍魎の跋扈する越後の国を憐れんだ元明天皇が、708年に大和吉野より蔵王権現を勧請し、この地に蔵王権現越後道場を開いた。一山十二坊があったと伝えられている。三島郡矢田を経て、長岡に遷座され、蔵王金峯神社となった。 平安時代、十二坊の内の三尺坊に信州飯縄山で修行をした周国(かねくに)が院住をしていた。三尺坊周国は不動明王三昧の秘法という難行に挑み、大願を成就。飛行自在の神通力を得、「もし我名を呼べば、その声に従い火災盗難を除く」と叫び、現われた白狐にまたがって飛び立たったという。

霧に覆われた岩野外新田一体と蔵王堂の周辺。時の天皇から魑魅魍魎が跋扈すると評されたのも理解できる、どこか神秘的な雰囲気が漂う光景だ。